泌尿器科 治療

  • 2018/2/4
 

1.投薬治療

1) 急性腎盂腎炎、膀胱炎、急性前立腺炎、急性精巣上体炎などの急性感染症、あるいは神経因性膀胱、前立腺肥大症などの排尿障害に対して、投薬による加療を行います。疾患の原因によっては、投薬だけではなく、その原因に対する加療も必要となります。

2) 尿管結石による急性腎盂腎炎;尿管ステント、あるいは腎瘻カテーテルによる尿流出路を確保し、抗生剤投与を行います。

3) 残尿が原因の膀胱炎;尿道カテーテル、あるいは導尿による尿流出路の確保を行い、抗生剤投与を行います。

4) 排尿障害;前立腺肥大症、あるいは種々の神経障害により生じた神経因性膀胱あるいは、尿意切迫感が主な症状である過活動膀胱に対して、原因とその症状に応じた投薬を行っています。頻尿に関しては、原因を突き止めることが重要であり、また、その原因に対する投薬を行っても効果発現まで時間を要することがあります。投薬による効果が不十分な場合には、手術治療、あるいは自己導尿などが必要となります。

2. 手術治療

1) 経尿道的手術(膀胱腫瘍、前立腺肥大症、腎・尿管・膀胱結石の治療)

(1) 膀胱腫瘍;経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
全身麻酔、あるいは腰椎麻酔下で、内視鏡を尿道から膀胱内に挿入し、膀胱内の腫瘍を直径7mmほどの半円形の電気メスにて切除します。膀胱の筋層の深さまで切除します。術後、最出血予防目的に尿道カテーテルを3-7日間留置します。

(2) 前立腺肥大症;経尿道的前立腺レーザー核出術(HoLEP)
全身麻酔、あるいは腰椎麻酔下で、内視鏡を尿道から前立腺部尿道、および膀胱内に挿入し、前立腺内部をレーザーで焼きながら、水圧にて前立腺の肥大部分(内腺)を核出(くりぬき)します。従来から行われていた経尿道的前立腺切除術(電気メスでの切除;TUR-P)に比べて、出血量が少ないこと、術後の排尿状態の改善が早いことが特徴です。なお、術後1-3ヶ月程度は、尿失禁(腹圧性)が生じることがあります。

図10 経尿道的前立腺レーザー核出術(開始時)

図11 経尿道的前立腺レーザー核出術(前立腺剥離時)

 

(3) 腎・尿管・膀胱結石;経尿道的尿路結石除去術(TUL)
全身麻酔、あるいは腰椎麻酔下で、内視鏡を尿道から膀胱、さらに尿管内に挿入し、結石を確認しながら、砕石器具、あるいはレーザーにて砕石し、破砕片を回収します。腎盂・尿管結石の場合は、尿管粘膜のむくみ(浮腫)による尿流出障害を予防するため尿管ステントを術後3〜14日間留置します。尿管ステントの種類によっては、留置したまま退院していただき外来受診時に抜きます。

図12 尿管結石でのTUL

図13 膀胱結石でのTUL

図14 膀胱結石でのTUL

 

2) 腎・尿管結石;体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

腎結石、尿管結石の治療です。レントゲン、または超音波にて結石の位置を確認し、焦点を合わせた後に体外から結石に向かって衝撃波を発射し、結石自体を振動させることで砕石します。結石の位置によって、背部、あるいは腹部から発射します。1秒間に1回の衝撃波の発生を行い、3000〜4000発の発射を行います。砕石効果は、レントゲン写真で確認します。手術前と手術翌日にレントゲン検査(KUB)にて、結石変化を確認しますが、すぐにレントゲン写真上に効果の見えないこともあり、退院後の外来再診日にて再度レントゲン検査を行い、砕石効果の再確認を行います。腎保護のため、通常1回/3-4週間での治療が薦められています。

図15 ESWL機器

図16 レントゲン写真(砕石治療前)

図17 レントゲン写真 (砕石治療終了後 (複数回施行後)

 

3) 腎・尿管・副腎疾患に対する腹腔鏡手術

腎腫瘍、腎盂・尿管腫瘍、副腎腫瘍に対しては、できるだけ低侵襲な腹腔鏡手術を行います。腹腔鏡手術は手術の傷が小さく術後の回復が早いだけではなく、拡大視野で手術を行えますのでより繊細な手術が行えます。腹腔鏡手術に習熟した医師が行うことにより、開腹手術と比べ出血量や合併症も少なく、手術時間も長くはなりません。

4)腎温存手術

比較的小さい腎腫瘍(径4cm程度まで)や腎機能の悪い方の腎腫瘍に対しては、腎機能をできるだけ温存できるように腎部分切除術を行います。腎機能を温存することにより、透析が必要となる可能性を減らせるだけではなく、慢性腎不全による合併症が起こる可能性を減らすことができます。また、腫瘍の位置や全身状態にもよりますが部分切除もできるだけ腹腔鏡で行い、体への負担を減らすことができます。

5) 腎・尿管・膀胱・精巣に対する開腹手術

周囲臓器へ浸潤した腎癌、腎盂・尿管癌や浸潤性膀胱癌、前立腺癌、あるいは精巣腫瘍などの、尿路・男性器腫瘍に対して、腹部切開(開腹)による摘出術を行います。

6) 前立腺癌治療(生検、内分泌療法、放射線治療、抗癌化学療法、開腹手術)

最近、前立腺癌の罹患率の上昇がいわれています。前立腺癌の治療は、年齢、癌の浸潤度、悪性度(Gleason Score)、年齢、そして、患者さんの希望にて選択されます。
手術治療である前立腺摘出術、放射線治療である小線源治療(放射線物質を前立腺内に埋め込む)”、IMRT(前立腺の形態に合わせた照射)、粒子線治療、は、限局性癌に適応となります。進行癌(前立腺の最外側まで拡がった場合)では、内分泌療法(男性ホルモン抑制治療)、外照射治療(骨盤全体に照射する)、あるいは、その併用療法が適応となります。
患者さんとも相談しつつ、治療方針の決定を行います。

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