循環器内科

  • 2019/3/13
 

<循環器内科の特色>

  •  当院は淡路医療圏域で唯一の高度心臓救急に対応できる施設であり、重症患者さんを決して断ることなく24時間体制で受け入れています。夜間や診療時間外であっても必ず内科医が常駐し常にオンコールの循環器医と密に連絡をとりながら最適な循環器救急を提供しています。
  •  高齢者比率が高い淡路島内では循環器疾患患者さんの多くが高齢者であり多数の合併症を持っておられます。当科では、高齢者の特性を常に念頭に置き、循環器疾患のみにとらわれず、他科とも協力して総合的な診療ができるように努めています。
  •  循環器内科では心臓血管外科と協力しながら全ての循環器疾患に対して対応していますが、その中でも、当科独自の取り組みとして以下の3つがあります。

(1)新しい心不全診療体制の構築と臨床研究

高齢化の進行とともに日本の心不全患者数がピークを迎えるのが2035年とされています。いわゆる「心不全パンデミック」時代の到来です。心不全パンデミックへの対策は、日本だけでなく世界でも喫緊の課題となっていますが、実は日本の中でも特に高齢化が進んだ淡路島の65歳以上の高齢者比率は、すでに2035年の予想値である33.7%を上回っています。実際、当院の心不全入院患者数はここ10年で倍増し、循環器病棟は高齢心不全患者であふれかえっていますので、淡路島はまさに日本の未来の心不全パンデミックについて研究するのに理想的なモデル地域と言えます。このような背景の下、当科では他の地域に先駆けた高齢心不全患者の診療体制の構築を目指しています。そしてその第一歩として、島内の他の医療機関の御協力もいただき淡路島の心不全入院の現状把握調査を開始しています。さらに疫学的な臨床研究を進めることよって、高齢心不全患者の特徴の抽出、有効な対処方法の検討を行い、最終的には、予後・生活の質(QOL)・健康寿命の改善へと結びつけていけるような診療体制を整えたいと思っています。

淡路島の地理的特性から、心不全入院のほとんどは当院に集中しており、また、患者さんの島外への移動も少ないので、信頼度の高い貴重なデータになることが期待されます。複数の大学病院やその他の研究施設の協力も得て臨床研究はすでにスタートしています。

(2)大動脈弁バルーン形成術(BAV)

大動脈弁狭窄症の患者さんの多くは併存疾患を持った高齢者ですので、手術治療よりも侵襲度の小さいカテーテル治療が選ばれることが増えています。カテーテルを使って人工弁を挿入する経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)が主流ですが、大動脈弁拡張のみで人工弁を用いないBAVは、診断機器の進歩によって安全かつ確実に施行できるようになり、効果ではTAVIに劣るものの侵襲度・安全面では優れており、全身麻酔が不要で緊急でも施行可能なため見直されてきています。BAVは比較的コストが少なく再発時も繰り返し行え、治療後数日で退院が可能ですので、高齢者に適した治療法です。当センターは2014年からBAVに取り組み、今日では日本有数の施行経験を持つ施設となっています。他施設から循環器専門医がBAVの手技見学に来られることも多く、当院スタッフの岩崎正道医師によるBAV技術解説書も市販されています。BAVに関する臨床データは今後数多く発信していく予定です。

(3)足のきず総合医療センター

下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は、心筋梗塞や脳梗塞の発症頻度が高い全身性の予後不良疾患です。循環器内科では糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の管理や冠動脈疾患の早期発見を行いASOの血管イベントの予防に努めています。また、重症下肢虚血(CLI)では、皮膚潰瘍・皮膚感染から下肢切断を余儀なくされることもあり、切断後の歩行能力の維持には踵を残すことが重要とされています。当科と形成外科を含めた複数の科が「足のきず総合治療センター」としてCLI治療に取り組んでいますが、我々は末梢血管インターベンション(EVT)治療によって下肢血流を改善させることで切断範囲をできるだけ小さくすることに貢献しています。

 

<循環器内科の治療実績>

CAG LVG PCI EVT BAV PM手術
2016 656 18 221 87 50 31
2017 613 29 222 111 44 31
2018 636 11 262 104 38 27

 

<内科・循環器内科を目指す後期研修医の方へ>

内科専攻医の研修病院としての淡路医療センター

淡路医療センターは、人口およそ13万人の淡路島の中央部(洲本市)に位置する最新設備が整う総合医療センターです。神戸・明石から車で1時間程の距離にあり、周囲には有名な洲本温泉や海の幸を堪能できる飲食店が多くあって非常に暮らしやすいところです。当院は島内の高度救命救急の全てと、中等症以上の救急のほとんどを担っている最終病院であるため、集まる疾患には偏りがなく、多数の内科系疾患を幅広く経験でき、どのような救急疾患に対してもしっかりとした対応ができるようになります。また、この地域は高齢化が進んでおり、多くの合併症を持つ複雑な症例が多いので、患者さんを総合的・包括的に診る訓練にもなります。忙しいながらも研修に適した環境が整う当院には、高いモチベーションを持った初期研修医・内科専攻医が集まり、苦労をともにしている若手医師達の結束は固く、お互いに切磋琢磨しながら和気あいあいと楽しく学んでいます。当院の研修終了者は、各病院で大いに活躍し高い評価を得ています。

内科専門医制度(後期研修医)

  • 当院には、循環器、消化器、呼吸器、血液、神経内科等、幅広い専門分野の内科指導医がおり、きめ細やかな指導が受けられます。各内科間の連携がよく、他科との垣根も低いため、非常に働きやすい環境です。
  • 平成31年4月からは、神経内科の常勤医が2名に増員され、神戸大学からの非常勤医による腎臓内科外来(毎週月曜日)や循環器内科の不整脈外来(水曜日、隔週)も始まり、さらに充実する予定です。
  • 当院では伝統的に後期研修医(専攻医)が内科診療の実践における中心的な働きをしており、経験豊富な指導医の下で専攻医が様々な手技を行い技術を習得していきます。
  • 専門分野志向の研修から各内科のローテーション中心の研修まで、制度の範囲内であればできるだけ専攻医の希望に応じたプログラムを組むようにしたいと考えています。

循環器内科から後期研修医へのメッセージ

循環器志望の専攻医に対しては、広く内科を研修していただくことを基本にしながら、循環器を中心とした研修を行うことも可能です。

  • PCI、EVT、ペースメーカー手術、経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)、BAV、IVUS、OCTやロータブレーターなどが経験できます。
  • 当院では毎年兵庫ライブデモンストレーションを主催しており、兵庫県下の優れた術者のカテーテル手技を間近で見ることが可能です
  • 大動脈弁狭窄症(BAV)の症例数は日本有数であり、より安全で確実な手技を目指して改良を続けています。複雑なカテーテル手技を学ぶ勉強になります。
  • 「足のきず総合治療センター」では重症下肢虚血に対してEVTや創傷管理だけでなく、腰部脊柱管神経ブロックや脊髄電気刺激などを行っており、集学的治療が学べます。
  • 心エコー専門医の指導が受けられ、経食道心エコーもできるようになります。
  • 各専攻医に臨床研究テーマが与えられ、研究発表や論文作成が可能です。当院の専攻医は可能であれば、国内だけでなく国外で発表する機会が与えられることがあります。
  • 当科での日々の研修の様子は、病院HPからリンクしているFacebookで見ることができますので、また、チェックしてみて下さい。

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